縁の下のもち

読んだ本の感想や、日々感じたことなど書きます。

Sonny Boy 1話

はい。2021夏アニメの一つである「Sonny Boy」一話を観ました。
以下公式サイトから引用。

監督・脚本・原作:夏目真悟
×
制作:マッドハウス
×
キャラクター原案:江口寿史
主題歌:銀杏BOYZ「少年少女」
最強スタッフ陣による、 オリジナル“SF青春群像劇”アニメ

誰もいない空っぽの教室、退屈な日々。
それはいつもと変わらない夏休みのはずだった。
突如、異次元を漂流し始めた学校と、そこに取り残され、
超能力に目覚めた36人の少年少女。なぜ?
どうして? ……次々と浮かぶ疑問の渦の中、
理不尽に満ちた世界でのサバイバル生活が始まりを告げる

世界的な大ヒットアニメ「ワンパンマン
の監督・夏目真悟と『サマーウォーズ
DEATH NOTE」などを手掛けるアニメスタジオ
マッドハウスが贈る、青春SFサバイバル群像劇。
再びタッグを組む両者だからこそ生み出せた、
エッジの効いたビジュアルとユニークな世界観も、
本作の魅力のひとつだ。またキャラクター原案として、
マンガ家&イラストレーターとして
ジャンルレスに活動を続け、多くの人々を魅了する
江口寿史が参加。突如として、
平穏な日常から放り出されてしまった少年少女たちの表情を、
繊細に鮮烈に描き出してみせる。

そして、本作の主題歌を銀杏BOYZ
担当しているのも注目のポイントだろう。
銀杏BOYZといえば、青春の痛みをヒリつくサウンドに乗せて、
多くのファンを熱狂させてきたロックバンド。
2005年にリリースしたアルバム
「君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命」では、
ジャケットイラストに江口寿史を起用したことでも
話題を呼んだ。今回の主題歌「少年少女」では、
子供と大人の間で揺れ動く思春期という
青い季節を鮮やかなメロディラインで描き出し、
「Sonny Boy」の世界観とも強く共振してみせる。
ノイジーな音響の中を疾走する、ボーカル
峯田和伸の歌声も印象的だ。

「少年少女」たちがたどり着くのは地獄か、
それともユートピアか。忘れられない「夏」が幕を開ける。




特に期待するでもなく軽い気持ちで見始めたのですが、
何も説明がないまま展開される謎にぐいぐいと引き込まれ、
気づくと夢中になり、あっという間に一話が終了していました。
今感じていることを忘れないよう、備忘録代わりに
書いていこうと思います。





「長良と希」


初めの場面、教室で寝転ぶ長良に希が話しかける。
長良の顔に鳥の羽がついているのを
希が取ってあげていますね。
この羽は後の場面でも出てくるのですが、
何か意味があるのでしょうか。


寝転がっているだけの長良はとても受動的に見えますね。
自分の進路、人生を他人に委ねてしまっている、
そんな風に受け取れます。


対して、希はこんな状況でも明るくふるまっています。
希のセリフに
「ここはユートピアなのかな。それとも、地獄??」
というのがありますが、
普通こんな状況に陥った人間は間違いなく
後者を想像するでしょう。

真っ暗な孤立した世界がユートピアなんて
1ミリも考えないでしょう。普通は。

しかしこんな世界でも自分たち次第では
ユートピアにもなりえるのではないかという
強い希望が、希からは感じられますね。




あと、鼻水猫可愛い。




「ルールを決める明星」


この明星君、(以下ほし君)やけにこの孤立した
生徒たちを支配しようとしています。
ルールを守らないものには罰が下る。

何もわからない状況で好き勝手に校舎を破壊する
輩が横行している状況で、
はじめは視聴者側(私含め)もこの制度に
賛成派だったのではないでしょうか。

右も左もわからないような状況では、人は何か
指標を求めるのではないでしょうか。

何もない砂漠に放り出されて、真偽はどうあれ
現在地の記された地図とコンパスを渡されると
その地図が本当に正しいのか、慎重に吟味する人は
少ないでしょう。自分で考えることなく
生徒会のような指導者に
盲目的について行ってしまう。これも
この状況ではしかたのないことだと思います。

ともあれ初めにこの罰を受けるのは朝風君ですね。
勝手にルールを決める生徒会の3人に反抗し
超能力で窓ガラスを割る朝風に対しキャップが「罰だ!」と
指を突き立てると朝風の顔に大きな黒い×印が現れ、
自分の意思とは関係なく割り算を延々とさせられてしまいます。

皆さんお分かりのようにこれはキャップの能力では無いのですが
まるで自分がとても大きな力を得たように感じてしまうキャップ。
彼が持つ正義感の暴走はこのあたりから始まったようですね。




グループトーク漂流教室

生徒たちのスマホに着信があり、表示されたのは
漂流教室という名のグループトークへの招待。
参加するとキャップからの現状についての説明などが
次々に投稿されていきます。
(実際にはほし君がしゃべった内容をキャップが
打ち込んでいるだけなのですが。)
内容はこうです

「2中3年2組、生徒会の谷川です。
学校が闇に包まれてから、今日で
7日になります。外との連絡も取れず、
僕たちの両親や先生は大変心配しているでしょう。
ひょっとしたら大きな事件として
ニュースになっているかもしれません。

現在この学校は得体のしれない闇の中で
孤立しています。そう、僕らはまさに
漂流しているのです。さらにここでは
超能力などという嘘みたいな現象が
存在しています。

そして今、その
得体のしれない力により、学校が
傷つけられています。
偶然、その力を手に入れた一部の
生徒たちの暴走によって。

いつか、誰かが助けに来てくれるでしょう。
ですが、僕たちにはこの学校の生徒たち
としての責任があります。
最高学年としての
自覚を持たなければいけないのです。

そこで僕から皆さんに提案があります。
僕らの責任を果たすべく、それぞれ
役割を決めるのです。

そしてそれをまとめるには
リーダーが必要です。僕たち36人の中から
リーダーを選び、この世界のルールを
皆で作るのです。」



はい、完全にほし君のほし君による
ほし君のためだけのプラパガンダ放送ですね。
これを聴いた何も考えていない生徒はこう思うでしょう。
「暴走した超能力者は悪だ!」
「超能力を規制すべきだ!」
「僕たちには指導者が必要だ!」

こうしてほし君の思想工作に簡単に
はまってしまった生徒たちは
投票によりキャップをリーダーとします。
乗り気でないキャップに対しほし君は
ガシっとキャップの肩をつかみこういいます。

「いや、君でなきゃダメなんだ!」

この魔法の言葉のおかげでリーダーを
務める意思を固めるキャップ。

まるで汚い仕事を上司に任される部下のようですね。
社会人である私から一つ忠告をしましょう。


君にしかできない仕事なんかありません。

君がいなくても社会は成り立ちます。
責任感が強い人は何かを任されると
つい張り切りすぎてしまい、消耗してしまいます。

こういうほし君のようなことを
言ってくる人がいたら注意しましょうね。搾取されます。



「ルールにNoを突き付ける希」

スマホを持っていないという希に
スマホを支給するというキャップ。
理由は簡単、この時点では支配下にいない
希にグループトークに入ってもらうことで
支配しようとしているのだ。

しかしそんなキャップの要求に

「私いらない。」
とNoを突き付ける希。
とてもかっこいいですね。
周りにあわせがちな日本人はNoというのが苦手です。
(偏見です。気にしないでください)

周りの皆は従っているから。といわれると
本心では嫌だと感じていても
断れないのが実状ではないでしょうか。

そんな希が言っていることが理解できず
デザインが気に入らないのかと問う
キャップが少し可愛く感じてしまいました。笑


そんなこんなでスマホを破壊する希。
ルールの一つである
「学校の備品を壊してはいけない」
に違反したため、校庭100周地獄という罰を受けます。
校庭なんてありましたっけ?まあいいか。

キャップの罰の能力に疑問を感じる朝風。
それに対し長良は
「考えても仕方ないよ、そういう決まりなんだから。」
といいます。

何も考えずにルールに従う。
これは非常に楽で、簡単なことです。
実際、多くの人がそうしているのではないでしょうか。
疑問を感じても、まあ自分が言っても仕方ないか。
と諦めてしまう、受動的な人たち。

この外の世界の見えない孤立した学校は、
そんな決められたことに何の疑問も持たず
盲目的に、縛られた狭い世界で生きている現代の人々を
暗喩しているのではないでしょうか。
これについては最後に書きます。






「外はどうなっている??」


長良たちが通っている中学校が突如暗闇に包まれ、
外の世界から隔絶されてしまった。生徒たちは空腹にもなるし
眠くもなる。人体の代謝は進んでいるようだから
時間が止まっているわけではなさそうですね。

ラジダニがマジックペンで手の平にマルを書いて真っ暗闇の
窓の外に突き出す場面がありましたが、引き戻した手のひらには
書いたはずのマルがありませんでした。これが何を
意味するのかはまだ全く分かりませんね。

ただ、校舎が沈んでいる?と気づく描写は何か引っかかりますね。
この点についても、最後に書きます。



「屋上、希、長良」

屋上でぼんやり外を眺めている長良。
すると頭上からびりびりに破いた紙が降ってきます。
希が教科書を破いては捨てていたのです。
君もやる?楽しいよ?
と誘う希に、用事あるから。と断る長良。
そんな長良に希は

「いるよねーそういう人。
いっつも忙しぶってるやつ。
行くところがいっぱいあるみたいな顔してさ、
そういうやつに限って結局どこにも
いくとこないの。」


グサッ
グサッ
...もう...やめて...

希の容赦ない言葉が私の心に突き刺さります。笑



長良にはあんまり効いていないようですね。
そんな長良をみて希が

「本当はどこかに行きたいと思ってる?」
と聞きます。
ここなんですが、序盤から何度も出てくる羽や鳥。
これは青い鳥を隠喩しているのではないかと
私は考えています。まだ明らかになっていない
長良の超能力と何か関係がありそうですね。



「この支配からの脱出??」

ねえ、君はヒマワリ派?それともタンポポ派?
皆さんはどちらですか??
私は、、、
タンポポにあこがれるヒマワリですかね。
タンポポのように飛び立ちたいのだけれど
そんな勇気はない。
なかなか未知の場所へ飛び立つのは
勇気がいることだと思います。


そうして暗闇に向かって飛び込む希。
それを止めようとした長良は一緒に落ちてしまう。


その瞬間、世界は明るくなり、二人は海に落下します。
空は晴れ渡り、眼前にそびえたつ山々。

何故このようなことになったのか?
真相はわかりませんが、私は仮説を一つ立てました。
それは、この世界は孤立しているように見えるが
それは生徒たちが外に出ようとしなかったから。
つまり、生徒たち自らが狭い世界で生きようと
していたからなのではないでしょうか。
本当は世界はこんなにも広大で、
知らないことだらけなのに、
学校という狭い世界で生きている、
自分の置かれた環境が世界のすべてだと
信じている。そういう心境を暗喩
しているのではないでしょうか。

ラジダニが校舎が沈んでいることに
気づいていましたが、これは海の上に
校舎が浮かんでいるからとも考えられますね。
世界は広いのに、生徒たちが見ようとしていないだけ。
外に飛び出す勇気が無いだけ。

これはただの私の仮説の一つですのであしからず。



と、まあつらつら書きましたが、続きが気になる作品ですね。
ストーリーもそうですが、キャラクターも魅力的です。
個人的には上海が好きです。現在三体を読んでいる途中なので
私が中国贔屓なのもありますが。笑

ほし君の不気味な表情の真意も
気になりますし、早く2話配信してくれ!!


というわけで以上です。