縁の下のもち

読んだ本の感想や、日々感じたことなど書きます。

マザファカ村

八つ墓村を読み終えた。祟りじゃー!を
期待していたが、とうとう出てこなかった。
が、とても面白かった。 スリルがある場面が多く、
ページを探る手が止まらなくなる。
早く先を読みたいがために目が滑ってしまい
結局戻って読み直すなんて事がよくあった。
こういう面白い本に久し振りに出会えた。
犬神家も面白いんだろうなあ。

帰宅すると妻がダウンしていたので晩ご飯はラムーのお弁当。
250円くらい。あ買った方が安いね晩のおかずっ!
昨日寝る前 たまたまTVでやっていた大田流いえ呑み道2
がツボにハマリ、思い出して妻と笑ってる。
今度ピリ大根作ってみようかしらん。

話は変わるが、責任感という言葉で組織の問題を解決しようとするんじゃねえ!
体を壊しながら膨大な仕事を片付けるのが責任感か?ふざけるな!
会社に 都合の良い価値感に染められぬ様、
常に視野を広く持つ努力をしよう。
そう改めて感じたのであった。
功名心からバリバリ仕事を背負い、
いずれは背負った物の仕事の重さに潰される。
初めは感謝こそされど、次からはやって当たり前になる。
そうして潰れてしまった人を何人も知っている。
不真面目に仕事をするという事ではなく、
手を広げ過ぎず無理な物は無理と
跳ねのける勇気を持つのが肝要だ。

長くなってしまったが、 今日のロードショーは
パイレーツオブカリビアンなので早く風呂に入ってしまおう。

nekoneko kawaii

やあ。

盆休みも今日で終わり。
雨続きで外出できず、消化不良な感じがしますね。
見晴らしの良い山頂でコーヒーの一杯でも飲みたかった。


コーヒーといえば。

ラテアートの練習をしていたのですが
どうも致命的なエラーが発生してしまいました。

ミルがエスプレッソに対応していなかった。


そうなんです。
我が家で愛用しているナイスカットG。
一番細かく挽ける1の目盛りでも
極細引きにはならないようですね。
クレマが出ない原因は粒度にありました。

とはいってもナイスカットG以外に
ミルはありませんのでどうしようもありません。
試しにすり鉢で試してみましたが、
粒度が均一にならず、失敗でした。

ポーレックスのミルが良いらしく、
値段を見ると約7000円。
外でもコーヒー豆を挽けるのが
魅力的で目から鱗、、、ではなく
瓢箪から駒、、、
身から出た錆、、、



喉から手が出る程(実際には出ない)手に入れたい
のですが、なにせお財布には520円しか無い。。。
そんなこんなで悶々としていると
目の前には読み終わった「三体」が、、、



(今売ったら結構いい値段になりそう)



、、



後悔しそうなのでやめました。




当分は我慢ですね。





話は変わって。


通い猫アルフィーシリーズ4作目
「通い猫アルフィーと海辺の町」
を読み終わりました。
今回も人間たちに起こる厄介なことを
解決すべく活躍するアルフィー達の姿に
心がほっこりしました。

作者あとがきに2017年に来日した時のことが
書いてありました。次作には日本人が
登場するらしいので、どんな話になるか
とても楽しみですね。
日本名の猫も登場するのでしょうか。



さて、今日はこのへんで。



じゃあね。

クレマが出ない


やあやあ。

月は無慈悲な夜の女王

前に読もうとして断念したんですが
再チャレンジしてみました。
結果は同じでした。
300ページ手前でどうしても
進まなくなる。
訳が難しくてわかりづらいんですよね。
また期間を空けてチャレンジしてみます。


てなわけで今日のラテアートなんですが
エスプレッソにクレマが出ないんですよ。
ボトムレスフィルター一発目なので
かなり期待していたんですけどね。



4日目のラテアートがこちら


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ミルクが分離してしまっています。
攪拌が足りていないようです。


クレマがでない要因は何か。
抽出の間下から覗いてみたのですが
どうもフィルターの両脇あたりの
プレスが弱いみたいですね。


その原因はこいつです。



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マシンに付属のタンパーなんですが
両サイドが変形しています。

タンパーを調達する必要がありますね。

タンパータンパー、、

だいたい3000円くらいですね。


今月はもうお財布がピンチなので
とりあえず自作することにしました。




SUSの鉄板を丸く削り、
壊れたやすりの柄を切って
瞬着でくっつけました。
現在乾燥中。

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あまりいいものではないですが
タンパーを買うまでのつなぎということで。



話は変わって。

明日から盆休みです。
朝から晩までラテアートの
練習ができますね。。。。



というわけで今日は終わり。


じゃあね。

ミルクの温度

やあやあ。

少しずつですが日が出ている
時間が短くなってきていますね。
こんなに早く過ぎてほしいと
思っている夏も、不思議と
名残惜しく感じていたりして。







てなわけで今日はフォームミルクの温度について。
大体60度あたりが良いといわれています。
60度はピッチャーを手に持っているときに
熱いな、と感じる熱さ。と説明されているので
私もそのようにしていたのですが
あまりにもフォームミルクが上手くできないため、
温度計で測ってみることにしました。
(今更、、、!!)






ミルクがもったいないので
水をスチームしてみます。





、、、、、





(熱い!
 いいや限界だ!離すねッ!!)



温度計スッ






50°






いや低っ!


そうです私の皮膚は
熱さ耐性が無いんです。

(そういえば居酒屋でバイトしていた頃
 皆が熱燗の徳利を平気で手で
 運んでいくのが不思議だったなあ。)





やはり数値で確認することが
大事なのですね。
というわけで温度計をいれたまま
再度水をスチーム。


私で言う
(いいや限界だ!)

のあたりが50°くらいですね。
(以下限界P)

ミルクだとこの辺で音が低く
変わってきますね。

限界Pからすこし間を置くと60°に達しました。

これを何度か練習し、感覚で
60°付近までもっていくことができました。



そうしてラテ本番。

と言いたいところですが
フィルターが使用不可のため
少なめのドリップコーヒーの上に
描いていこうと思います。

(まあまず上手くいかんやろ
 と思いつつですが)


まずコーヒーをドリップ。

そしてミルクをフォーム。

練習した通り限界Pから
少し間を置きます。


おおっ!
いい感じにフォームできている!


フォームが終わったらトントンクルクルして
ミルクを落ち着かせます。

そしていざラテアート。


おお!いい感じにミルクが浮いていく!
そして出来上がったのはハートとは
言えないものの、惜しい感じです!

目を描いたら?との提案を受け


「ラテアート描くあの棒」


で目と口を描きました。



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ミルクを浮かせられたのが
今日の収穫ですかね。

実はもう非加圧フィルターが
届いているのですがもう夜ですので
また明日にします。



じゃあね。

8月はラテアート強化月間

やあやあ。

もうすぐ訪れるお盆休みは雨が続くようですね。
まあ、晴れたとしても我が家は
お盆にはあまり外出しないんですけどね。


話は変わって、
我が家には以前からエスプレッソマシンがあるのですが
たまにラテを淹れるくらいであまり活用していませんでした。
そんなわけでお盆休みを活用してラテアートに挑戦してみようかと
奮起したわけですね。

今まで何度か挑戦してみたのですが
フォームミルクがうまくできず、諦めていました。
目標は8月が終わる前にハートが描けるようになること。

といってはみたものの、
あまり気負わずにやっていこうかと思います。


マシンはデロンギのデディカEC-680BKを使っています。
とてもスリムでスタイリッシュですね。

てなわけで初日のラテがこちら。



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うーん、まだ泡が大きいですね。
うまくいかないのでネットで情報をあつめてみました。

まずエスプレッソの質について。
どうもデロンギのデディカのフィルターには
増幅弁なるものがついているらしく、
これがクレマの生成を阻害しているとのこと。
確かにフィルターにはたくさんの穴があるけど
底には一つしか穴がありませんね。
それとハンドル。
こちらもボトムレスのものを使用するのがいいみたいですね。
早速アマゾンで検索してみたら、、ありました!!

、、、セットで7000円!!!

結構する!
私の現在のお財布事情では厳しいものがあります。
(ほんとはタンパーとか
ディストリビュータとかも欲しいんだ、、!!)


なにかほかに方法が無いか調べていると
どうやら自分で改造している方が多数いらっしゃるようで。
ハンドルの方は難易度が低そうなので
やってみることにしました。

本当はホールソーがあると早いし綺麗にできるんですが
我が家にはないため、金切り鋸で
汗だくになりつつギコギコ頑張りました。
それがこちら

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時間はかかりましたがそこそこ綺麗にできました。
つぎはフィルター。




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底の穴を4ミリのドリルで大きくしてみました。
これで完璧。私の脳内では完璧なハートを描き
周りから拍手喝采を受ける未来の私の姿が。
そこまでやってからその日は加工したものを
洗剤で丁寧に洗って、眠りにつきました。


そして2日目。
期待に胸を膨らませながらミルクをフォーム。
昨日ネットで見た通り、銀色のノズルを外して
フォームしてみました。んん、すこしゆるいな。
もう少し空気を取り込む必要がありそうですね。

まあミルクは置いといて、本命のエスプレッソ。
先日加工したフィルターの効果やいかに。
粉をタンピングしてハンドルをセット。
ボタンを押す。


ワクワク。


ブーン。
(きたきた、クレマたっぷりのエスプレッソが出てくるぞ)



ブシャー!!!!

!?


熱々のエスプレッソが飛び散りました。


クレマ?そんなものは無いね。
贅沢いってんじゃないよ。

そして出来上がった二日目のラテアートがこちら。

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、、、、。



ピシュン!

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これは美味しいコーヒー牛乳です。いいね?



原因はフィルターの穴が小さすぎたようですね。
フィルター単体だと1500円くらいで買えるようなので
こちらは買うことにしました。
明日届くのでそれをつかって夜に練習してみます。



はい。まだまだ道のりは長いですね。

では最後にひとこと。

「大成功の前には必ず大敗があるわけよ!」


じゃあね。

Sonny Boy 1話

はい。2021夏アニメの一つである「Sonny Boy」一話を観ました。
以下公式サイトから引用。

監督・脚本・原作:夏目真悟
×
制作:マッドハウス
×
キャラクター原案:江口寿史
主題歌:銀杏BOYZ「少年少女」
最強スタッフ陣による、 オリジナル“SF青春群像劇”アニメ

誰もいない空っぽの教室、退屈な日々。
それはいつもと変わらない夏休みのはずだった。
突如、異次元を漂流し始めた学校と、そこに取り残され、
超能力に目覚めた36人の少年少女。なぜ?
どうして? ……次々と浮かぶ疑問の渦の中、
理不尽に満ちた世界でのサバイバル生活が始まりを告げる

世界的な大ヒットアニメ「ワンパンマン
の監督・夏目真悟と『サマーウォーズ
DEATH NOTE」などを手掛けるアニメスタジオ
マッドハウスが贈る、青春SFサバイバル群像劇。
再びタッグを組む両者だからこそ生み出せた、
エッジの効いたビジュアルとユニークな世界観も、
本作の魅力のひとつだ。またキャラクター原案として、
マンガ家&イラストレーターとして
ジャンルレスに活動を続け、多くの人々を魅了する
江口寿史が参加。突如として、
平穏な日常から放り出されてしまった少年少女たちの表情を、
繊細に鮮烈に描き出してみせる。

そして、本作の主題歌を銀杏BOYZ
担当しているのも注目のポイントだろう。
銀杏BOYZといえば、青春の痛みをヒリつくサウンドに乗せて、
多くのファンを熱狂させてきたロックバンド。
2005年にリリースしたアルバム
「君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命」では、
ジャケットイラストに江口寿史を起用したことでも
話題を呼んだ。今回の主題歌「少年少女」では、
子供と大人の間で揺れ動く思春期という
青い季節を鮮やかなメロディラインで描き出し、
「Sonny Boy」の世界観とも強く共振してみせる。
ノイジーな音響の中を疾走する、ボーカル
峯田和伸の歌声も印象的だ。

「少年少女」たちがたどり着くのは地獄か、
それともユートピアか。忘れられない「夏」が幕を開ける。




特に期待するでもなく軽い気持ちで見始めたのですが、
何も説明がないまま展開される謎にぐいぐいと引き込まれ、
気づくと夢中になり、あっという間に一話が終了していました。
今感じていることを忘れないよう、備忘録代わりに
書いていこうと思います。





「長良と希」


初めの場面、教室で寝転ぶ長良に希が話しかける。
長良の顔に鳥の羽がついているのを
希が取ってあげていますね。
この羽は後の場面でも出てくるのですが、
何か意味があるのでしょうか。


寝転がっているだけの長良はとても受動的に見えますね。
自分の進路、人生を他人に委ねてしまっている、
そんな風に受け取れます。


対して、希はこんな状況でも明るくふるまっています。
希のセリフに
「ここはユートピアなのかな。それとも、地獄??」
というのがありますが、
普通こんな状況に陥った人間は間違いなく
後者を想像するでしょう。

真っ暗な孤立した世界がユートピアなんて
1ミリも考えないでしょう。普通は。

しかしこんな世界でも自分たち次第では
ユートピアにもなりえるのではないかという
強い希望が、希からは感じられますね。




あと、鼻水猫可愛い。




「ルールを決める明星」


この明星君、(以下ほし君)やけにこの孤立した
生徒たちを支配しようとしています。
ルールを守らないものには罰が下る。

何もわからない状況で好き勝手に校舎を破壊する
輩が横行している状況で、
はじめは視聴者側(私含め)もこの制度に
賛成派だったのではないでしょうか。

右も左もわからないような状況では、人は何か
指標を求めるのではないでしょうか。

何もない砂漠に放り出されて、真偽はどうあれ
現在地の記された地図とコンパスを渡されると
その地図が本当に正しいのか、慎重に吟味する人は
少ないでしょう。自分で考えることなく
生徒会のような指導者に
盲目的について行ってしまう。これも
この状況ではしかたのないことだと思います。

ともあれ初めにこの罰を受けるのは朝風君ですね。
勝手にルールを決める生徒会の3人に反抗し
超能力で窓ガラスを割る朝風に対しキャップが「罰だ!」と
指を突き立てると朝風の顔に大きな黒い×印が現れ、
自分の意思とは関係なく割り算を延々とさせられてしまいます。

皆さんお分かりのようにこれはキャップの能力では無いのですが
まるで自分がとても大きな力を得たように感じてしまうキャップ。
彼が持つ正義感の暴走はこのあたりから始まったようですね。




グループトーク漂流教室

生徒たちのスマホに着信があり、表示されたのは
漂流教室という名のグループトークへの招待。
参加するとキャップからの現状についての説明などが
次々に投稿されていきます。
(実際にはほし君がしゃべった内容をキャップが
打ち込んでいるだけなのですが。)
内容はこうです

「2中3年2組、生徒会の谷川です。
学校が闇に包まれてから、今日で
7日になります。外との連絡も取れず、
僕たちの両親や先生は大変心配しているでしょう。
ひょっとしたら大きな事件として
ニュースになっているかもしれません。

現在この学校は得体のしれない闇の中で
孤立しています。そう、僕らはまさに
漂流しているのです。さらにここでは
超能力などという嘘みたいな現象が
存在しています。

そして今、その
得体のしれない力により、学校が
傷つけられています。
偶然、その力を手に入れた一部の
生徒たちの暴走によって。

いつか、誰かが助けに来てくれるでしょう。
ですが、僕たちにはこの学校の生徒たち
としての責任があります。
最高学年としての
自覚を持たなければいけないのです。

そこで僕から皆さんに提案があります。
僕らの責任を果たすべく、それぞれ
役割を決めるのです。

そしてそれをまとめるには
リーダーが必要です。僕たち36人の中から
リーダーを選び、この世界のルールを
皆で作るのです。」



はい、完全にほし君のほし君による
ほし君のためだけのプラパガンダ放送ですね。
これを聴いた何も考えていない生徒はこう思うでしょう。
「暴走した超能力者は悪だ!」
「超能力を規制すべきだ!」
「僕たちには指導者が必要だ!」

こうしてほし君の思想工作に簡単に
はまってしまった生徒たちは
投票によりキャップをリーダーとします。
乗り気でないキャップに対しほし君は
ガシっとキャップの肩をつかみこういいます。

「いや、君でなきゃダメなんだ!」

この魔法の言葉のおかげでリーダーを
務める意思を固めるキャップ。

まるで汚い仕事を上司に任される部下のようですね。
社会人である私から一つ忠告をしましょう。


君にしかできない仕事なんかありません。

君がいなくても社会は成り立ちます。
責任感が強い人は何かを任されると
つい張り切りすぎてしまい、消耗してしまいます。

こういうほし君のようなことを
言ってくる人がいたら注意しましょうね。搾取されます。



「ルールにNoを突き付ける希」

スマホを持っていないという希に
スマホを支給するというキャップ。
理由は簡単、この時点では支配下にいない
希にグループトークに入ってもらうことで
支配しようとしているのだ。

しかしそんなキャップの要求に

「私いらない。」
とNoを突き付ける希。
とてもかっこいいですね。
周りにあわせがちな日本人はNoというのが苦手です。
(偏見です。気にしないでください)

周りの皆は従っているから。といわれると
本心では嫌だと感じていても
断れないのが実状ではないでしょうか。

そんな希が言っていることが理解できず
デザインが気に入らないのかと問う
キャップが少し可愛く感じてしまいました。笑


そんなこんなでスマホを破壊する希。
ルールの一つである
「学校の備品を壊してはいけない」
に違反したため、校庭100周地獄という罰を受けます。
校庭なんてありましたっけ?まあいいか。

キャップの罰の能力に疑問を感じる朝風。
それに対し長良は
「考えても仕方ないよ、そういう決まりなんだから。」
といいます。

何も考えずにルールに従う。
これは非常に楽で、簡単なことです。
実際、多くの人がそうしているのではないでしょうか。
疑問を感じても、まあ自分が言っても仕方ないか。
と諦めてしまう、受動的な人たち。

この外の世界の見えない孤立した学校は、
そんな決められたことに何の疑問も持たず
盲目的に、縛られた狭い世界で生きている現代の人々を
暗喩しているのではないでしょうか。
これについては最後に書きます。






「外はどうなっている??」


長良たちが通っている中学校が突如暗闇に包まれ、
外の世界から隔絶されてしまった。生徒たちは空腹にもなるし
眠くもなる。人体の代謝は進んでいるようだから
時間が止まっているわけではなさそうですね。

ラジダニがマジックペンで手の平にマルを書いて真っ暗闇の
窓の外に突き出す場面がありましたが、引き戻した手のひらには
書いたはずのマルがありませんでした。これが何を
意味するのかはまだ全く分かりませんね。

ただ、校舎が沈んでいる?と気づく描写は何か引っかかりますね。
この点についても、最後に書きます。



「屋上、希、長良」

屋上でぼんやり外を眺めている長良。
すると頭上からびりびりに破いた紙が降ってきます。
希が教科書を破いては捨てていたのです。
君もやる?楽しいよ?
と誘う希に、用事あるから。と断る長良。
そんな長良に希は

「いるよねーそういう人。
いっつも忙しぶってるやつ。
行くところがいっぱいあるみたいな顔してさ、
そういうやつに限って結局どこにも
いくとこないの。」


グサッ
グサッ
...もう...やめて...

希の容赦ない言葉が私の心に突き刺さります。笑



長良にはあんまり効いていないようですね。
そんな長良をみて希が

「本当はどこかに行きたいと思ってる?」
と聞きます。
ここなんですが、序盤から何度も出てくる羽や鳥。
これは青い鳥を隠喩しているのではないかと
私は考えています。まだ明らかになっていない
長良の超能力と何か関係がありそうですね。



「この支配からの脱出??」

ねえ、君はヒマワリ派?それともタンポポ派?
皆さんはどちらですか??
私は、、、
タンポポにあこがれるヒマワリですかね。
タンポポのように飛び立ちたいのだけれど
そんな勇気はない。
なかなか未知の場所へ飛び立つのは
勇気がいることだと思います。


そうして暗闇に向かって飛び込む希。
それを止めようとした長良は一緒に落ちてしまう。


その瞬間、世界は明るくなり、二人は海に落下します。
空は晴れ渡り、眼前にそびえたつ山々。

何故このようなことになったのか?
真相はわかりませんが、私は仮説を一つ立てました。
それは、この世界は孤立しているように見えるが
それは生徒たちが外に出ようとしなかったから。
つまり、生徒たち自らが狭い世界で生きようと
していたからなのではないでしょうか。
本当は世界はこんなにも広大で、
知らないことだらけなのに、
学校という狭い世界で生きている、
自分の置かれた環境が世界のすべてだと
信じている。そういう心境を暗喩
しているのではないでしょうか。

ラジダニが校舎が沈んでいることに
気づいていましたが、これは海の上に
校舎が浮かんでいるからとも考えられますね。
世界は広いのに、生徒たちが見ようとしていないだけ。
外に飛び出す勇気が無いだけ。

これはただの私の仮説の一つですのであしからず。



と、まあつらつら書きましたが、続きが気になる作品ですね。
ストーリーもそうですが、キャラクターも魅力的です。
個人的には上海が好きです。現在三体を読んでいる途中なので
私が中国贔屓なのもありますが。笑

ほし君の不気味な表情の真意も
気になりますし、早く2話配信してくれ!!


というわけで以上です。

恩田陸 麦の海に沈む果実

はい、たった今読み終わりました。
私は恩田陸さんの作品を読むのは「ドミノ」以来で2作目です。
とても読みやすい文章で、さらに先が気になる内容のため
時間を忘れてすらすら読み進めることができました。
今回読んだ「麦の海に沈む果実」も次々と謎が出てきて
早く真相が知りたい!!と逸る気持ちを抑えながら読みました。
終始理瀬の一人称で物語が進んでいくため、
まるでスリル満点のRPGゲームをしている気分になりました。

というわけで、印象に残った場面、
台詞などをいつものように羅列していきます。


4本の尖塔

青い丘にそびえたつ塔。理瀬はこの学園に来るとき、塔から女性の声のようなものを聞き、
セイレーンを連想しています。Wikipediaによると、

セイレーンは、ギリシア神話に登場する海の怪物である。複数形はセイレーネス。
上半身が人間の女性で、下半身は鳥の姿とされるが後世には魚の姿をしているとされた。
海の航路上の岩礁から美しい歌声で航行中の人を惑わし、遭難や難破に遭わせる。
歌声に魅惑された挙句セイレーンに喰い殺された船人たちの骨は、島に山をなしたという。

となっています。
読み終わった後に考えてみると、生徒によってはセイレーンの歌声のような
魅力的な学校に誘われ、内部でじわじわと殺されてしまうというようにも解釈できますね。(強引)


4本の尖塔ですが、私の脳内では完全にサグラダファミリアのイメージでした。
青い丘にそびえたつ4本の尖塔。不気味ですね。



天使の石像

校長の家の近くの広場にある頭の無い石像。
40体近くある。破片は見当たらないため昔からこの状態であると推測される。

これ、どういうことなんでしょうかね。序盤に描写されて以来
言及されることがありません。(たぶん)
頭の無い天使、というと私はサモトラケのニケが頭に浮かびました。
もっとも、ニケは天使ではなく女神なのですが。
しかし、このサモトラケ島という所の歴史を調べてみると青い丘と似ている点がいくつかあるように思います。
詳しいことまで理解できていないため説明はできませんが。。。勉強不足で申し訳ないです。
もしかしてモチーフだったりするのでしょうか。セイレーンもギリシア神話ですし。


憂理

理瀬のルームメイトです。印象に残った台詞を引用します。

理瀬、ここに慣らされちゃだめよ。でないと、ここは本当の墓場になっちゃうわ。
実際に、ここを墓場にさせられた奴がいっぱいいるんだから。いいとこだけ取って、
マイペースでやっていくことね。

捉えようによっては天国のようなこの学校。その「捉えよう」に罠がある気がします。
環境への不満で押しつぶされないように、不満を感じないように適応する。
そうすることで快適に暮らせるようになる。

何か心当たりがありませんか??

そうです。会社と同じです。多くの人は入社したての時は不満が沢山あり、
ストレスを沢山抱えて毎日疲弊して帰宅します。そのうちストレスに耐えられなくなると、
防衛本能でストレスを感じないように鈍感になります。
そうやって会社にとって都合の良い人間が出来上がるというわけですね。
だから辛くても完全に慣れてしまってはいけません。

これは私自身へ言い聞かす意味でもあります。 笑



校長

この学園の校長。先代の父から引継ぎ2代目。
はい。みなさん大好き校長先生ですね。読んでいる途中はこの校長に
沢山惑わされました。何か事件が起こるたびに校長に対しての疑惑が浮かんでは消え、浮かんでは消え。。。
とても怪しい挙動をしたかと思うと頼りになる行動をしたり。
元々医者だったこともありとても頭がいいようなので
すべて校長の掌の上で転がされているような気がして疑心暗鬼に陥りますね。

校長の台詞でとても印象に残っているものがあります。以下引用です。

人間、未知の物に対しては不安になる。腹を立てる。疑い深くなる。心が狭くなる。
例えば、君が今電車に乗っているとする。ところが、突然駅と駅の間で電車が止まってしまった。
そのまま電車はずっと止まっている。君はどう思う?不安になるね。
そのうち、いらいらして怒り出すだろう。これはなんの不安、なんの怒りだと思う?
情報がないことに対する不安と怒りなんだ。人間が異性に対して不安や怒りを
覚えるのも、自分の中に相手の情報がないこと、理解できないことに対してなのさ。
それを解消するには、体験してみるしかないだろう。
知っていれば人は寛大になれるもの。

p293

これはとても深い言葉ですね。人間は年齢を重ねると丸くなる、と言われますが
まさにこの言葉のとおりということでしょう。若いうちはまだ人生の経験が浅く、
様々なことに対して寛容になれずにいらいらしたり不安になってしまう。
酸いも甘いも経験してきた人は、自分に置き換えることができるので
寛容になれるのでしょうね。やはり実体験にはかないませんが、
読書をすることでも様々な体験ができるので寛容になることが
できるのではないでしょうか。私も沢山読書をして寛容になりたいものです。



黎二

この物語の中で私が一番好きな人物ですね。
特に印象に残っているのは、自らの過去を理瀬に話す場面ですね。
とてもかわいがっていた妹を惨殺し、さらに心無い言葉を妹に投げかける母を見て
衝動を抑えられなかった黎二。ここは私も読んでいて腹が立ちました。
妹のことなど全然知らない私でさえ怒りを覚えるくらいですから
普段から親しみを込めて接していた黎二の心境を察するとやり切れない気持ちになりますね。
可愛がっていた妹、そして殺されてしまった麗子。どちらも大切な存在であったのに
守れなかった。そんな自分に罪悪感を覚えていたようですね。
しかし、終盤理瀬が実は生きていた麗子に殺されかけた場面では
咄嗟に駆けつけてくれて理瀬を守り麗子とともに崖から転落してしまいます。
黎二は理瀬という大切な存在を守ることができたのです。自分の命と引き換えに。
しかし麗子を殺してしまわねばならないとは悲しいですね。
所作がとても上品で、ワルツも上手。こんな学校にいなければ
間違いなく社会に貢献し、必要とされる人物であったことは間違いありません。
真相は明かされていませんが、理瀬の兄だったというのは本当なのでしょうか。


理瀬の正体

まさかの校長の娘でした。私は理事長が学校に変革をもたらそうとしていて
そのきっかけとして理瀬を使おうと考えていたのかと思っていました。
2月に転入した魔女のせいにしていろいろ事件を起こすとか、、、?

実際には麗子に殺されかけて記憶喪失になった理瀬の記憶を取り戻そうと
校長があの手この手で奮闘していたみたいですね。しかし終盤は自棄になったのか
娘である理瀬に対しても「黒い紅茶」を飲ませています。
校長には娘に対する愛情など無く、単なる跡継ぎとしてしか見ていないようですね。
まあ、理瀬自身もその上をいく野望家なんですが、、、



まとめ

すべての謎が解明されたわけではありませんが、読後感はとてもよく、満足しています。
密室殺人事件など、謎解き要素が沢山あり終始ハラハラしながら読み進めました。
「麦の海に沈む果実」は理瀬シリーズと言われており、他にも何冊かあるので
これから読んでいきましょうかね。

以上、終わり。