縁の下のもち

読んだ本の感想や、日々感じたことなど書きます。

石田衣良 うつくしい子ども

読了しました。

石田衣良さんの作品は
私が中学生の時に読んだ
I LOVE YOU が初めてですね。
石田さんのだけとても印象に残っています。

当時は知りませんでしたが
伊坂幸太郎さんと中村航さんの作品も収録されているんですね。
ほとんど覚えていないので
再読したいと思った次第です、、


さて、うつくしい子どもの感想ですが
とにかく文章が読みづらかったですね。
目が滑るというのを久しぶりに体感しました。
なぜなんでしょうね。単に自分には合わなかっただけなのでしょうか。
それと、結末はやはりすっきりしませんでした。
ミキオはとても大人びたうつくしい子ども
だと思うのですが、
勧善懲悪が好きな私にとっては
モヤモヤが残る終わり方でした。



ミキオ


弟の件でとてつもない苦悩を強いられていましたね。
犯罪者の家族というだけで
共犯扱いで、人権などありません。
世間は常にストレスのはけ口を探しているのです。
立場の弱い人間に言いがかりのような
罵詈雑言を投げつけ、自らのストレスを発散する。
とても愚かな行為ですね。

自分の時間を犠牲にしてまで
他人を批判することに執着する。
他に楽しい事が無い人間のすることです。
時間を無駄にする人間のすることです。
本当の幸せを知らない人間のすることです。
そんなものに価値はありません。
しかし、その身勝手な心ない言葉が
「犯罪者の家族」の人生を狂わせているのです。
本当にやりきれませんね。

話は変わりますが、
昼に放送しているワイドショーなどは
真実などどうでもよく、
「ほら、これが次の標的だぞ!」
と罵倒を浴びせる対象を紹介する
下品な番組だと私は思いますね。
見ていて反吐が出ます。






そういえばミキオの植物好きという設定が何か
物語に絡んでくるかと思ったのですが
そんなことはありませんでした。
強いて言えばフィールドナイフくらいでしょうか。






松浦署長


私がこの作品を好きではないのは
この人のせいだと言い切って間違いありません。

息子があれだけの事をしておいて
私も死ぬからこのことは秘密にしてくれ、とかほざく訳です。
正直はぁ??と思いましたね。
警察所長がそれでいいのかと。
息子が犯した罪を認め、
一生懺悔しながら生きるべきではないのかと。

彼は逃げた訳です。
署長のプライドもあったのでしょうね。
妻の事を思って、なんて格好つけてますが
もし妻が秘密を知ってしまったら
妻はどう思うのでしょうね。
正直に話してくれたほうがよかった、
と感じるのではないでしょうか。


ミキオは最後に署長と交わした約束を守り、
夜の王子の事を世間に公表しませんでした。

果たして中学生にこのような
立派な判断が出来るでしょうか。
私が同じ立場だったとしたら
怒り狂って警察に触れ回ることでしょう。
弟に関しての苦悩の経験が
ミキオを人の痛みがわかる
立派な人間に成長させたのでしょうね。


総評 スッキリしない! 70点

はい。結末に納得がいかない私ですが、
それは私が未熟だからなのでしょうね。